中型免許と準中型免許とは?中型トラックを運転するのに必要な免許を解説!
トラックには小型トラック・中型トラック・大型トラックの3種類があり、運転するのに必要な免許はそれぞれ違ってきます。今回は、中型トラックを運転するのに必要な免許を詳しく解説していきます。また、中型トラックの運転免許の取得方法についても、まとめているので興味のある方はぜひご覧ください。
目次
そもそも中型トラックとは?
トラックは積載量によっては、「小型」「中型」「大型」の3種類に分かれています。ここでは、サイズや積載量など中型トラックの定義について詳しくご紹介していきます。
一般的には積載量が4t程度のものが中型トラックに区分されますが、
- 道路運送車両法:全長12m以内・全幅2.5m以内・全高3.8m以内
- 道路交通法:積載量4.5t以上6.5t未満・車両総重量7.5t以上11t未満または乗車定員11人以上30人未満
- トラックメーカー:積載量2t以上5t未満・車両総重量4t以上5t未満
上記のように、道路運送車両法・道路交通法・トラックメーカーによって違いがあります。
また、中型トラックのボディにはいくつかの種類があるのでチェックしておきましょう。
- 平ボディ
荷台がフラットなタイプのトラックです。屋根が付いていないため荷物の積み下ろしがしやすく、いろいろな大きさや重さの荷物を積むことができます。
- バンボディ
アルミ製の箱型の荷台を搭載したトラックです。荷物を雨や風から守れるのが魅力で、商品の運送を行う宅配業などで利用されています。
- ウイングボディ
バンボディの荷台が両側に開くタイプのトラックです。両側を開いた状態が鳥が羽根を広げた姿に似ていることからウイングボディと呼ばれています。効率良く、荷物の積み下ろしができることから、引っ越しやイベンドの機材搬入などに使われています。
- 幌ウイング
幌(ほろ)ウイングは、荷台を幌にすることで軽量化を図ったトラックです。アルミ製のウイングボディよりも、軽量なためより多くの荷物を運ぶことができます。
- 冷凍冷蔵車
荷台に冷凍・冷蔵機能を備えたタイプのトラックです。冷凍食品や生鮮食品を運送する際に活躍します。
- パッカー車
家庭ゴミなどの廃棄物の収集運搬車がパッカー車に分類されます。車の後方で作業することが多いため、後ろに排気が流れないように工夫されています。
- ダンプ
建設現場などでよく見かけるタイプのトラックで、後ろの荷台を動ごかすことで荷物が降ろせます。土砂や石材・ゴミなどを運ぶのに便利です。
- クレーン付き
運転席部分と荷台の間にクレーンを搭載したタイプのトラックです。1台で荷物の積み込み作業と移動の2役をこなします。
このように、中型トラックにはいろいろなタイプがあります。小型トラックよりも多くの荷物を積むことでき、大型トラックよりも小回りが利く中型トラックは、様々なシーンで活躍します。
中型トラックの運転に必要な免許は?
ここまでは、中型トラックについて詳しく解説してきました。ここからは、中型トラックの運転に必要な免許をご紹介していきます。
中型トラックの運転に必要な免許
では、中型トラックを運転するにはどういった免許が必要なのでしょうか?現在の運転免許には、普通免許(AT限定・MT)の他に準中型免許・中型免許・大型免許などがあります。
運転免許の歴史をさかのぼると、まずは2007年6月2日に普通免許と大型免許の間に「中型免許」が新設されました。その後2017年3月12日には、普通免許と中型免許の間に「準中型免許」が新設されました。
そのため、免許取得年月によって運転できる車両総重量が異なります。2007年6月2日以前に普通免許を取得している方は、車両総重量が8t未満の車の運転が可能で、2017年の3月12日以前に普通免許を取得している方は、車両総重量5t未満までの車、現行の普通免許では車両総重量3.5t未満の車が運転できます。
一般的に中型トラックを呼ばれるものは、最大積載量6.5t以内、車両総重量は5t以上11t未満が規格となるので、2007年6月2日以前に普通免許を取得している方は、8t未満の中型トラックなら運転できますが、2007年6月2日以降に免許を取得した方や8t以上の中型トラックを運転したい方は中型免許が必要です。
準中型免許では運転できない
2017年3月12日新設された「準中型免許」ですが、運転できる大きさは車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t・乗員定員10人以下と定められています。中型トラックと呼ばれているものは、車両総重量が8t・積載量が4t程度の車両が多いため、準中型免許では運転ができません。
中型トラックの運転免許の取得方法
中型免許トラックの運転に必要な免許について解説したあとは、中型トラック免許の取得条件や取得にかかる費用・難易度など取得方法を詳しく解説していきます。
中型トラック免許の取得条件
中型トラックの運転に必要な「中型免許」を取得するには、
- 20歳以上
- 運転経験2年以上
- 視力が両眼で0.8以上かつ片眼でそれぞれ0.5以上(眼鏡・コンタクトの使用可能)
- 三桿法の奥行知覚検査器により3回検査し、その平均誤差が2cm以下
- 信号機の赤色・黄色・青色の識別ばできる
- 10mの距離で90㏈の警音器の音が聞こえる(補聴器の使用可能)
などの条件があります。普通免許を取得後、2年以上の運転経験が必要となるので、まずは普通免許を取得するようにしましょう。
中型トラック免許の取得方法
中型免許を取得するには、一発試験と教習所に通う2つの方法があります。一発試験は、自動車試験場または運転免許センターで仮免許を取得、その後本免許の学科試験と実技試験を受ける流れになります。
また、路上試験を受ける前には5日以上の路上練習が必要です。路上練習を行う際は中型トラックで、仮免許練習中の標識を付け、中型免許を取得して3年以上が経過している方やその車両が運転できる第二種免許を取得している方が同乗しなければなりません。これらの条件を満たすことができ、運転技術に自信がある方は一発試験にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
教習所に通った場合、2007年6月2日以前にMT車で普通自動車免許を取得している方は5時間の技能教習、AT車の方は9時間の技能教習をすれば、路上教習なしで取得できます。
また、2007年6月2日以降2017年の3月12日までにMT車で普通自動車免許を取得した方は、場内での技能教習7時間+路上での技能教習8時間+学科教習1時間、AT車の方は場内での技能教習11時間+路上での技能教習8時間+学科教習1時間が必要です。
中型トラック免許の取得にかかる費用
ここからは、中型トラック免許の取得にかかる費用をみていきましょう。先程から解説しているように中型免許を取得するには、まず普通免許を取得しなければなりません。普通免許の卒業までにかかる費用は時期によって差がありますが、MT車で約30万・AT車なら約29万程です。
さらに中型免許を取得するには条件によって異なりますが、20万~30万ほどかかると言われているので、最終的には50万~60万程の費用がかかると考えておきましょう。
中型トラック免許の取得は難しい?
一発試験での中型免許の合格率は20~30%だと言われています。この数字からみても分かるように、中型トラックの運転経験がない方が、一発試験で仮免許・本免許ともに1回目で合格するのはかなり難しいと言えます。何度も一発試験にチャレンジするなら、教習所に通った方が早く取得できるかもしれません。
中型トラック免許で運転できる車の種類
では、中型免許を持っているとどのような車が運転できるのでしょうか?ここからは、中型免許で運転できる車の種類をチェックしていきましょう。
4tトラック
中型免許で運転できる車は、車両総重量11t未満・最大積載量6.5t未満・乗員定員29人以下に定められています。2007年6月2日以降に中型免許を取得した方は、4tトラックはもちろん1t~6tまでのトラックが運転できます。2007年6月2日以前に普通免許(中型免許8t未満限定)を取得していた方は、1t~4tまでのトラックならが運転することが可能です。
マイクロバス
トラック以外では、乗員定員29人以下のマイクロバスなら中型免許での運転が可能です。ただし、旅客運輸の目的で運転する場合は中型二種免許が必要です。また、2007年6月2日以前に普通免許を取得している方は、総重量が8tまでのマイクロバスで、乗員定員が10人までなら運転ができます。
中型トラック運転手の給料はどれくらい?
ここからは、中型トラック運転手の給料についてまとめていきます。中型トラック運転手の平均月給は25万~30万円で、年収に換算すると380万~450万円ほどだと言われています。長距離の移動が少なく、配送や宅配・引っ越し・資材の運搬などが主な仕事となるため、大型トラックや長距離トラックの運転手を比べると若干低めとなっています。
中型免許と準中型免許の違いを理解しておこう
この記事では、中型トラックを運転するのに必要な免許や中型トラックの運転免許の取得方法・中型免許で運転できる車の種類をご紹介しました。中型免許は二度の法改正があったため、免許取得年月によって運転できる車が違ってきます。また、中型免許と準中型免許では運転できる車が違ってくるので、それぞれの違いをきちんと理解しておきましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。