【解体業】とは?仕事内容からどんな人が向いてるかなど詳しく解説!
誰もが一度は目にしたことのある建物の解体ですが、解体業の仕事内容についてはご存じでしょうか。また、解体の仕事に向いている人にはどのような特徴があるでしょうか。解体工事の仕事に就きたいと考えている方は、気になるところでしょう。そこで今回は、解体業について詳しくお届けしていきます。就職・転職を考えている方は是非参考にして下さい。
解体業とは?
解体工事業者とは、文字通り解体工事を業として行う会社のことです。アパートや戸建て住宅、公共施設、倉庫、ガレージなどの建物を取り壊す仕事のことで、建物を建てる仕事である建設工事とは対極にあるものです。
解体工事は毎日どこかで行われているので、街を歩けば誰もが一度は現場を目にしたことがあるのではないでしょうか。それだけ多いと言うことは、つまり解体業という仕事を担う働き手の需要も大きいと言うことです。
解体業の仕事内容とは?
解体業の仕事内容は、いくつかのカテゴリーに分けることができます。以下に仕事の種類を見ていきましょう。
解体業の仕事内容①作業員
作業員の主な仕事は、人力や重機を使って建物の解体作業を行うことです。この「作業員」は、解体現場の最前線で活躍する職人であり、一般的にイメージされる「解体」に最も近い仕事です。
具体的には、ユンボなどの重機を操作して建物の大部分を解体したり、ハンマーやバールなどの工具や溶接機などを使って手で解体したりします。狭い道路などでは重機が入れない場合もあり、その場合は手作業で行います。
解体作業は常に危険と隣り合わせの作業です。どの現場でも最前線で働く作業員には、安全への配慮や近隣住民への気配りが求められます。
作業員の一日は、その日に行われる解体作業の確認から始まります。担当する作業の段取りを確認するのはもちろんのこと、危険予知や天候の確認も欠かせません。重機を使用するとある程度の粉塵が発生するため、晴れていたり小雨が降っていたりすると、オペレーターは水を撒く準備もしなければなりません。
解体業の仕事内容②オペレーター
オペレーターの主な仕事は、重機を操作して建物の躯体(太い柱やコンクリート壁など、手で解体するのが難しい部分)を解体することです。作業員なら誰でもできるような簡単な仕事ではなく、重機の扱いに長けたベテランの職人が行います。
また、大きな壁の解体だけでなく、粗解体後の大きな瓦礫やゴミを運搬しやすいように粉砕し、ダンプカーに積み込んで運搬する作業も必ずあります。
他の作業員と同様、オペレーターの一日は、その日の作業の流れを確認し、危険を予測することから始まります。建物の重要な部分を解体するなど、大きな作業がある日は、いつも以上に入念なチェックと準備が行われます。
解体業の仕事内容③鳶工
次に、鳶職人の仕事内容をご紹介しましょう。解体工事では、鳶職人は「足場鳶」と呼ばれることが多く、工事開始前に建物の周りに防護シートや足場を設置するのが主な役割です。場合によっては、防音パネルを設置することもあります。
主に工事が始まる前の準備段階に関わることが多く、解体が始まってからはあまり関わりません。足場の設置や養生は、作業者の安全を確保し、周辺地域への被害を防ぐための重要な作業です。
現場では飛び散る粉塵や汚れで近隣住民とのトラブルになることも少なくありません。そのようなトラブルを未然に防ぐのが養生シートの役割であり、鳶職人の重要な仕事内容の一つです。鳶職人の仕事は、解体現場の「縁の下の力持ち」としても欠かせません。
解体業の仕事内容④現場監督
現場監督は、工事全体のスケジュールをまとめる重要な役割を担っています。小規模な業者の場合は、営業担当者と兼任することも多いです。スケジュールを管理するだけでなく、工事が時間通りに安全に行われているか、近隣住民に損害を与えていないかを確認する責任もあります。また、リスクを回避することも重要な仕事です。この作業を怠ると、大きな問題に発展する危険性が高まることになります。
解体業の仕事内容⑤営業
営業の仕事は、お客様からの問い合わせに対応したり、見積書を作成したり、作業内容を説明したりすることです。建物の解体を希望する個人や企業にアプローチするのも営業の仕事です。
また、自治体や官公庁の公共工事の入札に参加するのも営業の仕事です。お客様と直接コミュニケーションを取ってやり取りすることが多いので、対人能力が必要になります。また、書類の作成など、高い事務能力も求められる仕事です。
解体業に向いてる人の特徴
ここでは、解体作業員に向いている人の特徴をご紹介します。自分が当てはまるかどうか、ぜひ参考にしてみてください。
特徴①体力に自信がある
解体工事は、多くの方が想像するように肉体労働です。バールや工具、電動工具を使っての作業や瓦礫の撤去など、体力勝負の仕事です。
特に夏場は体力を消耗しますし、仕事をしていない時でも体力を消耗しますので、体力に自信のない方は、難しいと感じるかもしれません。
そのため、体力に自信のある方がこの仕事には向いていますが、体力は経験を積めば自然とついてきます。仕事を始めたばかりの頃はついていけないかもしれませんが、徐々にできるようになっていきます。
特徴②慎重に作業できる
「解体」と聞くと、重機を使って一気に建物を破壊すると思われるかもしれませんが、実際にはさまざまな方法を組み合わせて仕事をしています。建物の解体は、慎重に行わないと危険な作業になります。
そのため、事故を防ぎながら解体作業ができるように、解体の手順や方法を細かく決めておく必要があります。解体の仕事をしたい方は、「計画を立てて、それを守る」ことに抵抗のない方がおすすめです。
特徴③周囲と協力して作業できる
解体工事は、一人ではできない仕事です。重機を操作する人、バールや工具、電動工具を使ってする作業する人、放水する人など、多くの人が関わって行われます。解体後の瓦礫の撤去にもチームワークが求められます。
解体作業は、ある程度の騒音が発生し、粉塵で視界が遮られることもあり、常に危険と隣り合わせでもあります。そのため、チームワークを大切にできる人や、人任せにしたくない責任感のある人に向いています。
解体業の仕事に就職する方法
ここでは、解体工事業者になるために必要な条件やスキルを取り上げます。本格的に解体業に転職しようとお考えの方は、ぜひチェックしておきましょう。
解体業に必要な資格
必要な資格は重機のオペレーターくらいでしょう。逆に言えば、オペレーター以外は特に個別の資格がなくても仕事に就くことは可能です。
ただし、キャリアアップのためには資格取得を目指すことが望ましいでしょう。いずれにしても、解体業者になってからも努力する気持ちを持ち続けることが大切です。もちろん、会社全体としては、「解体工事業者」としての免許を取得する必要があります。
解体業に必要なスキル
解体工事業者になるには、特に資格は必要ありませんが、必要なスキルはいくつかあります。まず、体力があることは重要です。
解体作業は通常屋外で行われ、暑さ、寒さ、雨、雪などの悪天候で体力を消耗することが多いです。天気が悪ければ作業を中止したり、翌日に延期しなければならないこともありますが、作業が予定通りに行われていれば、多少天気が悪くても作業が続けられることもあります。
重機の操作や手作業による解体など、とにかく肉体労働です。体力や筋力を必要とする仕事なので、一般の仕事よりも体力勝負になります。日頃から体を鍛えて、数々の解体作業に耐えられるだけの体力をつけておくことが大切です。
解体作業員になるためには、強い精神力を持つことも大切です。現場での作業は、肉体的にも精神的にも疲れるものです。屋外での作業は、天候や自然の影響を受けることもあります。また、解体作業は一歩間違えれば命を落とすこともある重大な作業です。
常に安全を意識しなければならない仕事であり、精神的に参ってしまうこともあります。長丁場の建設現場であれば、数ヶ月に渡って仕事をすることもありますので、精神的に自分をコントロール方法を身につけておくとよいでしょう。
解体業の給料はどれくらい?
解体業の平均年収は、会社によっても人によっても異なります。例えば、特に資格を持っていない現場作業員は年収400万円以下です。一方で、重機を操作できる人は解体業界でも高収入で、新人でも年収600万円ほどになります。
高収入を得たい場合は、まずは重機を操作できるように資格取得を目指すのが良いかもしれません。また、現場作業員よりも鳶職人や職長の方が平均年収が高い傾向にあります。
解体業は大変な仕事だけどやりがいがある
この記事では、解体業者に焦点を当て、その仕事内容や求められるスキル、そして向いている人について解説しました。解体業は大変とはいえ、地域社会にとってなくてはならない重要な仕事で、やりがいを感じることのできる仕事でもあります。ぜひ記事内で取り上げた情報を参考に、解体業者になるための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。