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工作機械とは

工作機械とは

工作機械とは、主に金属をはじめとする様々な種類の材料に加工を施すための機械です。具体的には、旋盤や切削盤などがあります。
家電製品やデジタル機器・医療機器・自動車や航空機など、さまざまな機械の部品を作っていることから、「機械を作る機械＝マザーマシン(母なる機械)」とも言われています。

工作機械には大きく分けて2つの種類があります。

• ・作業者(職人)が直接ハンドルを回すなどの操作を行う「汎用工作機械」
• ・コンピュータなどによる数値制御(NC)で自動運転を行う「NC工作機械」

NC工作機械とは

NC工作機械とは、あらかじめプログラムされた数字に基づいて加工する工作機械です。現在のNC工作機械は、ほとんどがコンピュータによる数字制御(CNC)です。
NC工作機械は自動運転のため、品質管理をしやすいことが特徴です。最初にプログラムを設定しておけば、作業者(職人)のスキルレベルに関係なく、同じ品質・同じサイズのものを大量に作ることができます。
製造現場をライン化するにあたっては、NC加工であることがほぼ必須になっています。

工作機械とは

工作機械の種類はなんと300種類以上

総務省の「日本標準商品分類-金属加工機械」では、用途によって中分類・小分類・細分類の3段階に分類されています。
その種類はなんと、中分類で約70種類・細分類ではなんと約300種類に分けられています。
以下に主な種類と加工方法を、簡単にまとめました。もっと詳しく知りたい方は「一般社団法人　日本工作機械工業会」のホームページをご覧ください。

• 旋盤

  工作機械の代表的な機種のひとつ。外丸削り、面削り、テーパ削り、中ぐり、穴あけ、突切り、ねじ切りなどができます。

• ボール盤

  穴あけ加工を行う機械で、リーマ仕上げ、ねじ立てなどの加工にも使われます。

• 中ぐり盤

  ドリル工具などであけられた穴の内面を、より精度よく、所定の大きさに加工(中ぐり加工)します。他にドリル加工、フライス加工などもできます。

• 歯切り盤

  ホブカッタ、ピニオンカッタ、ラックカッタと呼ばれる工具を用いて歯切り加工をする機械です。

• フライス盤

  フライス工具を使って、平面、曲面、みぞなどを加工する機械です。

• マシニングセンタ

  中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなどのいくつもの加工を、自動制御で連続で行えるNC工作機械です。それぞれの工程に必要な工具を自動で交換できます。

• ターニングセンタ

  旋盤を複合化したNC工作機械です。工具を自動で交換しながら、旋削加工の他に、フライス削り、穴あけ等の加工も行うことができます。また、近年普及が進んでいる高機能なものは「(旋盤形)複合加工機」と呼ばれます。

• 放電加工機

  電気による放電エネルギーを利用して加工を行う「形彫り放電加工機」と「ワイヤ放電加工機」があります。「レーザ加工機」や「超音波加工機」とあわせて、特殊加工機と総称されています。

工作機械メーカー、業界トップはファナック

工作機械メーカーでトップシェアを誇っているのが、山梨県に本社があるファナック(FANUC)。
ファナックは日本のみならず、世界で第1位のシェアとなります。
ちなみに年収ランキングでも、あのトヨタ系総合商社・豊田通商を抑えて中部地方の1位でした（「東洋経済オンラインによる2017年の年収ランキング 中部地方・40歳」より）。
ほかに、安川電機・マキタ・アマダ・不二越・ＴＨＫ・森精機製作所・ジェイテクト・オークマ・日本製鋼所　の10社が上位企業であり、統計によれば、この10社でシェアの6割以上を占めています。

工作機械の選び方

多機能で高品質な日本の工作機械ですが、実際に買うときはどのようなものを選べばいいのでしょうか？
加工精度が高く、使いやすいものはもちろんですが、事業として買うものですから、価格(コスト)との兼ね合いが大切になってきます。
ですから「必要な性能を満たすうち、一番安いもの」を選ぶことになりますが、ここで大変なのが、「必要な性能」を明確にしておくことです。

以下に注目ポイントをまとめておきますので、あなたの工場に必要な性能を検討する参考にしてください。

• (1) 加工精度と加工範囲
• (2) 加工速度：他の工程と比べてボトルネックになることは避けたいです。
• (3) 作業操作性：少量多品種生産や試作用では、プログラムのしやすさが重要です。大量生産用では、多少プログラムしづらくても、簡単な研修だけで新人でも使えるほうが有利です。
• (4) 維持費・サポート体制：故障時の対応が遅いようでは、最悪工場が止まってしまいます。
• (5) 将来への拡張性

特に難しいのが、(5)の拡張性。
どんなにいいものを買っても、技術は日進月歩。数年後にはもっといい性能のものが出てきます。いまオーバースペック気味でも長く使えるものを選ぶのか、買換え前提と割り切って今必要な機能を満たすものを選ぶのか。あるいは多少割高でもリースを利用するのか。悩ましい問題だと思います。
もし買換え前提で購入するのでしたら、説明書や工具、保証書、修理履歴などは必ず残しておきましょう。