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蚊の幼虫「ボウフラ」とは?その生態から駆除方法まで徹底解説!

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夏になると、蚊に悩まされる時期が来ます。蚊に刺されてしまうと、痒くてどうしようもなくなり辛いです。人間にとって煩わしい生き物である蚊は、ボウフラが成長した姿になります。蚊の幼虫であるボウフラはどのような生き物なのか、生態から駆除方法まで徹底的に解説していきます。

ボウフラ駆除を行わないと危惧される蚊の被害

水中にいるバクテリアは、排泄物で水を汚してしまうため、水中の酸素が少なくなってしまいます。結果、生物が水中に住めなくなることもあるのです。そのバクテリアを退治してくれるのがボウフラです。

バクテリアを食べて排泄物を出すボウフラは、水を浄化してくれるというメリットもあります。しかし、ボウフラをそのままにしておくと、大量発生し、蚊の被害が拡大してしまうのです。

蚊に刺されると、アレルギー反応を起こしてしまうことで酷い痒みが出ます。痒みが生じるのも辛いことですが、一番怖いのは感染症にかかる可能性があることです。

日本では、蚊に刺されて起こす感染症として、日本脳炎やデング熱が有名です。ですから、蚊に刺されないようにすることが一番の対策だと言えるでしょう。

蚊に刺されることを防ぐためにも、ボウフラの状態から退治することが必要です。ボウフラをしっかり駆除できたら、蚊の被害も最小限に抑えることができるのではないでしょうか。

ボウフラ駆除が必要な主な蚊の種類

ボウフラが大きくなると蚊になります。成長のスピードも早いため、ボウフラを見つけたらすぐに駆除することが大切です。蚊と一言でいっても、さまざまな種類の蚊がいます。蚊の種類にはどのようなものがあるのかをご紹介します。

ヒトスジシマカ

ヒトスジシマカは、黒い体に白いシマが特徴的で、代表的な蚊として知られています。体長は4.5mmほどで、特に人間の血を好んで吸うことから、日本で一番被害をもたらしているとされているのです。また、デング熱の感染症を引き起こす原因となる蚊であることから、恐れられています。

ヒトスジシマカは、暖かい季節の日中に姿を現します。30度前後にエネルギッシュに行動をするタイプです。蚊は、日中だけではなく、夜中に血を吸う蚊も実存することをご存知ですか?ヒトスジシマカは、日中に血を吸う蚊だと言えるでしょう。

生息場所としては、湿度の高いところを好みます。さらに直射日光が当たらない水気のある場所に生息しています。例えば、公園や竹藪、草むらなどに隠れていますので、近付かないようにしましょう。

蚊の種類の中で、刺されて最も痒みが現れるのは、ヒトスジシマカです。人によりますが、赤くなって痒みが出るだけの場合もありますし、刺された部分が腫れてしまうこともあり厄介です。

アカイエカ

アカイエカは、体長5.5mmほどで体は赤褐色をしています。朝起きたら、蚊にさされていたという経験はありませんか?

アカイエカは家の中に生息する蚊で、夜中から明け方にかけて活発に行動します。日中は家の中に身を潜めて、夜になったら血を求めて動き回るのです。人間だけではなく、犬など動物の血も好んで吸います。

アカイエカに刺された場合、ウエストナイル熱という感染症を引き起こす可能性があると言われています。また、同じ種類に属し、アカイエカよりも少し小さめのコガタアカイエカは、日本脳炎の感染症にかかる危険性のある生き物です。

アカイエカは大きくなるスピードが速いことで知られています。大量の卵を産んでから、わずか10日ほどで成虫へと変化するので、大量発生する可能性が高いです。

チカイエカ

チカイエカは、体長が5.5mmほどで灰褐色または赤褐色をしています。見た目はアカイエカと似ているため、区別が難しいかもしれません。

チカイエカは、名前の通り地下に生息する蚊です。暑い時期にしか発生しないと思われがちの蚊ですが、チカイエカは一年中発生する蚊でもあることから、寒さにも強いです。

蚊は一般的に産卵のために血を吸うという特徴がありますが、チカイエカの場合は1回目の産卵は血を吸わなくてもできます。

地下水槽や地下鉄の構内などに生息していますが、マンションの雨水槽にも発生することがあるため、マンションの家の中にも蚊が入り込んでしまう可能性があります。気付いたら刺されていたという場合もあるでしょう。

ボウフラを含む駆除が必要な蚊の一生

蚊は、どのように産卵して幼虫から成虫へと変化していくのでしょうか。蚊は、成長するスピードが速いとも言われています。ボウフラを含む駆除が必要な蚊の一生をご紹介していきます。

蚊の一生①卵

メスの蚊は、産卵するために血を吸い、卵を産んで他の物に付着させます。やぶ蚊の仲間であるヒトスジシマカは数個~数十個単位でバラバラに産み付けますが、イエカの仲間は塊として数百個単位の卵を産むため、大量発生しやすいと言われているのです。卵の期間は約2~7日程度でふ化します。

蚊の一生②幼虫 (ボウフラ)

卵がふ化すると、幼虫の段階に入り、ボウフラになります。ボウフラである期間は約6~7日です。体長は6cmほどで、棒を振るような泳ぎ方をすることから、「棒振り」という言葉が訛って、「ボウフラ」と呼ばれるようになりました。

ボウフラは、微生物や腐植質を食べて生きています。尾の端に呼吸器官があるため、水面から尾端を出して空気を呼吸しているのです。いつも尾を上に向けて、水の中にいます。水の溜まった場所ならどこでも生きていけるのがボウフラです。

蚊の一生③オニボウフラ(さなぎ)

ボウフラが一皮むけて、さなぎになります。蚊のさなぎは、オニボウフラという名前がついています。オニボウフラである期間は、2~3日と短期間しか存在しません。

胸あたりに呼吸器官がありますが、背面から呼吸をすることができます。この呼吸器官が鬼の角のように見えることから、オニボウフラと名付けられたと言われているのです。オニボウフラは非常に敏感で、危険を察知して活発に動き回ることも多いです。

蚊の一生④成虫

さなぎが羽化することで、成虫になります。成虫になると、約30~40日程度生きることができるのです。交尾と産卵を繰り返し、生涯を終えることになります。

成虫は、湿気が高く風通しの悪い場所を好みます。竹藪や草むらなどで、日中の時間帯から活発に活動しているのです。成虫は、オスもメスも長い針のような口を持っているのが特徴です。しかし、血を吸うのはメスだけで、オスは血を吸うことはありません。

蚊といえば、血を吸うイメージしかありませんが、普段は花の蜜を吸って糖分を摂取しています。メスは、産卵するための栄養を摂るのに血を吸うのです。お腹が膨れるまで吸うことができたら、3日後に産卵という形になります。

駆除のために知っておきたいボウフラの生態

ボウフラをなくしていくためには、ボウフラがどういったところで生息しているのか、出現する時期はいつなのかなどを特定する必要があります。退治するために知っておきたいボウフラの生き方をご紹介します。

生態①発生環境

ボウフラが出現するとされている環境は、まずは「水」です。水が少しでも溜まっているところがあったら増えていきます。植木鉢の受け皿や空き缶に水が溜まっているなど、無意識のうちに、普段のちょっとした行動からボウフラが現れる要因となっていることもあるのです。

また、ボウフラは気温が25度程度の暖かい時期で現れやすいです。さらに、オスとメスの蚊がいれば交尾が可能なので、この3つの条件が揃っていれば、数多く発生する危険性があると言えるでしょう。

生態②発生時期

ボウフラが現れる時期は、暖かい季節ですから、だいたい4月~9月くらいの間がもっとも出現しやすい時期だと言えます。

雨が降ることも多く、湿気と水たまり、蚊が活発に活動しやすい条件が揃っています。蚊はほんの少しの水でも卵を産みますから、数十個~数百個単位でボウフラが増えてしまうでしょう。

生態③発生しやすい場所

蚊は、水の量に関係なく、池・空き缶・植木鉢の受け皿などに卵を産みます。蚊は、流れていない水場を好みます。直射日光が当たるところを嫌うので、日陰で水があり、邪魔をされないところなら、繁殖させるのに都合の良い場所だと言えるでしょう。

自宅でも、水が溜まるような場所があったら、そこに蚊が数多く発生して、頭を抱えることになります。ボウフラは微小のプランクトンを食べて生きているため、ボウフラの食料を作らないようにすることも大事なのです。

ボウフラを発生させないための対策

ボウフラが爆発的に発生すると、蚊の被害にあって大変なことになってしまいます。ボウフラが現れないようにするために、対策を考えておけば、ボウフラの出現を防ぐこともできるでしょう。ボウフラが現れないための対策をご紹介します。

原因となる水たまりをなくす

ボウフラは、少しの水たまりでも膨大な数になってしまう可能性があります。一番大切なことは、水たまりをなくすことです。蚊は、湿気が高くジメっとした場所や、風通しの良くない場所を好むため、蚊が出現しやすい環境を作らないようにしましょう。

容器類には、水溜まりができやすいです。水が溜まっていたらこまめに捨てたり、水が溜まらないような場所へ移動させてください。

ブルーシートも水はけが悪いので、しっかり乾かして雨の当たらない場所に閉まっておいたり、使用しないブルーシートは処分したりといった方法を取ることで、ボウフラの出現を防ぐことができるでしょう。

捨てられない水場は清掃と水の交換を行う

水溜まりといっても不要なものばかりではありません。捨てられない水場は定期的に清掃と水の交換を行うことが大切です。植木鉢の受け皿は、水やりをすることで水が溜まったり、雨に当たることで水が溜まることもあるでしょう。

植木鉢の受け皿は、習慣的に清掃をしてきれいにする、水が溜まっていたら週に1回程度は捨てるなどの対策を取ってください。また、水を汲み置きしているバケツは週に1回程度水の交換をすることが望ましいです。

ボウフラの退治方法

ボウフラが大量に現れるとそれが蚊となり、刺されて痒くなる、腫れあがる、さらには感染症を引き起こす原因となります。蚊に成長する前のボウフラの状態で駆除する事が必要です。ここからはボウフラの退治方法をご紹介します。

ボウフラの天敵メダカや金魚を利用する

ボウフラの天敵は、メダカや金魚です。メダカや金魚は、ボウフラを食すため、蚊の発生を防ぐ事ができます。

ボウフラ退治にメダカや金魚を使うのであれば、ボウフラは食料となりますので、ボウフラが口の中にしっかり入るものを選ぶようにすることが大切です。

体の小さいメダカや金魚の場合、大量に発生してしまったボウフラを全部食べ切ることができなくなり、ボウフラが爆発的に現れてしまうこともありますが、メダカや金魚がボウフラを食すことにより今までよりも蚊の発生率を格段に抑えることは出来るでしょう。

金魚の方が比較的手に入れやすいですが、メダカよりも水量が必要になるのと、エアポンプも購入しなくてはいけないです。そのようなこともあり、金魚よりもメダカの方がボウフラを撲滅させるためには、都合が良いのではないでしょうか。

この動画では、メダカがボウフラを食べることにより本当に駆除ができるのかという実験をご紹介しています。メダカの水槽内に入れたボウフラを次々に食していることがわかるでしょう。

またメダカはボウフラを最後まできれいに食べてくれるため、駆除できるのは真実であることが証明できました。メダカは、ボウフラをきれいに食べた後も、お腹が満たされていなかったのか、まだいないか探しているようです。


銅板でボウフラの発育を阻害する

ボウフラの出現場所に銅板を入れておくことで、銅が水中に馴染んでいくため、ボウフラの発育を邪魔することができます。銅が苦手だと言えるでしょう。銅板を入れておくと、ボウフラが次の発育段階であるさなぎに進化することができず、そこで生涯を終えることになります。

ボウフラの発育を阻害することで、蚊になり数多くの発生を防ぐことに繋がります。銅板を入れる時には、ボウフラの状態で入れておくことが大切です。さなぎに進化してからでは効果がないので、ボウフラの期間に対策を取る必要があるでしょう。

ボウフラ駆除用の薬剤を使う

ボウフラを除去するための薬剤が売られていますので、薬剤を使ってボウフラ対策をすることも可能です。薬剤には、錠剤タイプのものや粉タイプのものがあり、ボウフラが現れやすい水に入れておくだけなので簡単です。

ゆっくり溶けていき、効果は約1か月間と長持ちします。手軽に手に入れることができるので、試してみてください。


ボウフラを駆除して蚊の被害を防ごう

ボウフラは、水流のない水場に卵を産みます。多いと数百個もの卵を産みますから、膨大に発生する可能性があるため、厄介な生き物なのです。

ボウフラは発育すると蚊になるため、ボウフラの状態で除去していくことが大事です。まずは、ボウフラの生き方を把握していきましょう。ボウフラは、少量の水でも増えやすいため、ボウフラを出現させないようにするためにも、水たまりをなくすことが重要なポイントです。

ボウフラをなくしていくには、魚を飼育したり、薬剤を使用するなどの手段があります。ボウフラを徹底的に排除して、蚊の被害を防いでいきましょう!

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。