ゲーム会社への就職は難易度が高い?業界に入るために心がけるポイントを解説!
就職や転職の場として高い人気を誇るゲーム業界。しかし、インターネット上では「ゲーム業界で働くのは厳しい」という意見もあるようです。今回は、ゲーム業界で働くことに漠然とした不安を感じている方のために、ゲーム業界は本当に「厳しい」のかを事実に基づいて解説します。
ゲーム会社への就職は難易度が高い?
一般的にゲーム会社に就職するのは難易度が高いと言われています。求められる人材は企業によって様々ですが、ここでは大手企業と中小企業、ベンチャー企業など企業の大きさによって異なる特徴を確認しておきましょう。
ゲーム会社への就職難易度①大手企業は内定倍率が高い
実は、任天堂、ソニー、バンダイナムコ、スクウェア・エニックスなど、誰もが知っている大手ゲーム会社は、内定倍率が非常に高いことで知られています。
就職希望者が多いということは、企業にとってはいろいろな面で条件の良い人を選びやすいということですから、高学歴・高スキルの方が有利な状況になるのは当然です。
ゲーム会社への就職難易度②即戦力を求める企業が多い
大手企業は学歴などを重視しますが、中小企業やベンチャー企業では即戦力となる人材が求められることが多い傾向にあります。特にベンチャー企業は創業して間もないため、教育・研修制度が確立されていないこともあり、経験者が優先的に雇われることになる場合が多いです。
また、実力主義の会社が多いのも特徴となっています。特に社員数が少ない会社では任される仕事の幅が広いこともあり、作業を一から教えなければならないような経験の浅い人材よりも、即戦力となる人材を求めているのです。
しかし、すべてのゲーム会社が学歴やスキルで人を判断するわけではありません。未経験者を採用して育てるというスタンスの会社もありますので、自分に合った仕事を見つけることが大切です。
ゲーム業界の仕事は忙しい?
ゲーム業界は仕事が忙しいという噂もよく耳にしますが、ここでは実際のゲーム業界の労働実情について確認しておきましょう。
残業が多い企業も
確かに、ゲーム業界は比較的残業が多い職業です。その理由の一つは、スケジュールを厳守するためです。もうひとつの理由は、技術革新が非常に早い分野だからです。新しい技術が使われる以上、過去の経験に基づいてリソースを配分しても、仕事がスムーズに進むとは限りません。
また、ユーザー満足度のハードルは年々上がっていますので、評価されるタイトルを作るためには、仕事の質を高めていく必要があります。ある意味、最先端だからこそ厳しい労働状況にあるとも言えます。
実力者のみ稼働し人手不足の現状
ゲーム業界では、常に求人が行われています。それは、慢性的な人手不足だからです。単に人が足りないのではなく、優秀な人材が圧倒的に不足しているということです。そのため、必然的に残業が多くなり、プライベートも削られてしまう訳です。
会社にもよりますが、「ゲーム業界は忙しいからやめておけ」と言われることもあります。スマートフォンアプリのゲーム業界では、優秀な人材が少ないため、新卒や未経験者は研修期間を設けて採用するケースが多いようです。
なぜ優秀な人材が少ないかというと、採用してもすぐに転職してしまうからです。早い人では3カ月から1年で転職してしまうのがこの業界の特徴ともいえます。また、一概には言えませんが、能力のある方は、ある程度の経験を積める分野で働きたいと考える傾向があります。
しかし、どこで能力や経験を得られるかは、実際に仕事をしてみないとわからないことも少なくありません。そのため、就職後に現場で学ぶ機会が少なければ、将来の見通しに不満を持ち、会社を辞めてしまうということが起きるのです。
このように、優秀で経験豊富な人材が業界内で渡り歩いている状況です。このため、退職率は比較的高く、ほとんどの人が3年以内に辞めてしまうという統計もあります。
ゲーム業界に入るための心がけるポイント
それでは、ゲーム業界に就職するために求められる人物像や心がけておくポイントについてもご紹介します。今の自分の状況と比較して、改善できる分野がないか確認しておくことをお勧めします。
ポイント①トレンドをキャッチ
ゲーム業界は、急速な技術革新やユーザーニーズの変化など、常に変化し続けています。そのため、「厳しい」と感じて守りに入っているだけでは、生き残っていくことはできません。ゲーム業界で生き残っていくためには、常にアンテナを張り巡らせ、変化するニーズや新しい技術に敏感になる必要があります。
ポイント②海外企業に目を向ける
日本企業が世界のゲーム業界をリードしていたと言える時期があったことは間違いありません。しかし、2020年1月にApp Annieが発表した世界のモバイルゲーム売上を分析すると興味深い事実が浮かび上がります。
なんと、日本のゲームは4位の「Fate/Grand Order」と7位の「モンスターストライク」の2本だけで、その他、米国、韓国、フィンランド、台湾などのゲーム会社が上位にランクインしています。以上の数字から、海外のゲーム会社が世界市場で躍進していることが確認できます。
しかし、だからといって日本が衰退しているわけではありません。日本のゲーム会社はまだまだ頑張っていますが、それは世界のゲーム会社が格段に進歩しているからこその結果だと言えます。
ポイント③自分のやりたいことを大切にする
これからゲーム業界を目指す方にとって、業界の動向が気になるのも無理はありません。しかし、「面白いゲームを作ってみたい」「自分の腕を試してみたい」など、自分のやりたいことがある方は、その考えを大切にすることをおすすめします。逆に、不安のほうが大きいという方は、自分が本当にやりたいことと向き合って考えてみてください。
ゲーム業界に就職するには?
では、ゲーム会社に就職すると、どのような仕事内容が割り当てられるのかについても確認しておきましょう。それぞれの職種の業務内容と果たすべき役割についても解説しています。
ゲーム会社の職種(仕事内容)
まずプロデューサーは、ゲーム制作においてプロジェクトを統括する総監督のような存在です。予算やスケジュールの管理、スタッフの選定、広報活動の企画などを行います。それに対して、ゲームディレクターは、ゲーム制作の現場を指揮する現場監督のような存在です。
プランナーは、ゲームの企画、プロジェクトの進行管理、品質チェックなどを行います。ディレクターやプロデューサーと連携しながら、スムーズにプロジェクトを進めていきます。ゲームプログラマーの主な仕事は、システムエンジニアが作成した設計書をもとに、プログラミングを行うことです。
ゲーム会社のデザイナーは、主にゲームのキャラクターやアイテム、背景などのデザインを作成する仕事です。会社によって、キャラクターデザイナー、2Dデザイナー、3Dデザイナーなどと呼ばれることもあります。
また、ゲームの企画や進行管理を行うプランナーのことを「ゲームデザイナー」と呼ぶこともあります。サウンドクリエイターは、ゲームのメインテーマや挿入歌の制作を担当します。また、ゲーム内で使用される効果音の制作も行います。
ゲーム会社で求められるスキル
プロデューサーは、業務内容が多岐にわたるため、ゲームディレクターを経てプロデューサーになることが多いです。そのほか、プロデューサーには、マネジメント能力、コミュニケーション能力、企画力、プレゼンテーション能力などが求められます。
ゲームディレクターの役割は、ゲームプランナーやゲームデザイナー、シナリオライターなどと協力して企画を考え、他のスタッフに伝えます。そのため、企画力に加えて、マネジメント力、コミュニケーション力、リーダーシップなどが必要となります。
ゲームプランナーに特別なスキルは必要ありませんが、ゲーム制作の手法やシステムを理解していないと、プロジェクトの進行を管理するのは難しいかもしれません。また、様々な人と仕事をする必要があるため、円滑なコミュニケーションが取れる方が向いています。
ゲームプログラマーの具体的な作業内容は会社によって異なりますが、プログラミング後にテストを行い、バグを修正することもあります。
サウンドクリエイターは、作品の世界観を表現する重要な仕事です。一般的に音楽はPCで制作します。そのため、作曲などの音楽的なスキルや、音楽制作のための専用ソフトを使いこなす能力が求められます。
ゲーム会社への就職難易度は高いが入ればやりがいがある
ゲーム会社の就職難易度や、ゲーム会社で求められる人材や仕事内容についてお伝えしましたが、いかがでしたか。ゲーム会社に就職するのは比較的ハードルが高いとはいえ、社会的なニーズも大きく、やりがいや達成感のある仕事です。本気で目指すなら、ゲーム会社が応募者に求める人材になれるように、今から自分磨きを始めておきましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。