夫に専業主夫になってもらうには?メリット・デメリットを詳しく解説!
専業主婦は昔から多いですが、近年専業主夫の方もいらっしゃいます。働く女性が増え、夫に専業主夫になってもらいたいという方も少なくありません。ここでは夫に専業主夫になってもらうメリットやデメリットをご紹介してまいります。まだ専業主夫は特殊に見られがちですが夫婦の形はそれぞれなので、ベストな形を探してみてください。
目次
「専業主夫」の割合は?
専業主夫は家事や育児に専念する夫のことで、近年名前は浸透してきましたが、実際に専業主夫をしている方の割合はどのくらいなのでしょうか。自分たちには自分たちの家族の形があると思っていても、データは気になるものです。現状の割合を把握しておきましょう。
日本での専業主夫の割合
まずは日本での専業主夫の割合は、平成27年の国勢調査では全世帯の5%が専業主夫世帯と言う結果が出ています。しかし、総務省統計局の平成29年就業構造基本調査結果によると、夫が働き盛りの30代の世帯に限ると専業主夫世帯は1.1%で、まだ日本では専業主夫と言う選択をする方は少ないという印象です。
海外での専業主夫の割合
では海外での専業主夫の割合はどうなのでしょうか。アメリカで2019年度に行われた調査では、15歳未満の子供がいる世帯に限ると専業主夫世帯は約0.9%と、アメリカでもまだ多くないのが実情のようです。
専業主夫がテーマのドラマなどで認知度が上がってきている
実際に専業主夫を選択する方はまだ少ないものの、近年では専業主夫がテーマのドラマなどで認知度が上がってきています。極主夫道は、原作がマンガでアニメ化、ドラマ化されてご存知の方も多いかもしれませんが、元・最凶ヤクザが主夫となって、家事に奮闘するアットホーム任侠コメディです。
強面の主人公ですが、お弁当作りや家事をする姿は、素敵だと感じる女性も多いはずです。専業主夫世帯を考えているご家庭には、参考になる作品ではないでしょうか。
夫が家事を担当する「専業主夫」になる理由とは
ここからは夫が家事を担当する「専業主夫」になる理由をご紹介していきます。家事が得意であったり料理が好きと言った理由で専業主夫になりたくてなる方もおられますが、夫婦で話し合ってより良い家族の形として専業主夫と言う選択をされる場合も多いです。
専業主夫になろうかと考えている方や、夫に専業主夫なって欲しい方は、専業主夫を選択した理由をチェックしてみてください。
理由①妻のキャリアアップ
理由1つ目は、妻のキャリアアップです。妻の出世など、キャリアアップすることで残業が増えたり、家事や育児に手が回らなくなったり、家庭も回らなくなる恐れがあることから、夫が主夫となって支える立場になることを選択する場合もあります。
キャリアアップによって夫よりも収入が良かったり、妻の会社の方が労働環境がよく、お子さんがいても働くことに理解があるといった良い職場であるなら、安心して主夫を選ぶ方も多いのではないでしょうか。
理由②子供の誕生
続いては子供の誕生です。子供が産まれると、赤ちゃんのお世話で夜もろくに眠れない日々で家のことまで手が回らないという方も多く、とてもじゃないが妻が職場復帰したら夫婦で大変な状態になってしまう、子育てと仕事を両立できないという方もおられます。
育休で最大2年休めても、まだ2歳の子供を保育園に預ければしょっちゅう熱を出して休んだり、具合が悪くなって呼び出されることも多いです。両親が遠方に住んでいて育児に協力してくれる人が周りにいない場合など、夫婦2人で共働きは難しいと判断するご家庭も少なくありません。
夫婦のどちらかが仕事を辞める場合、妻が仕事を辞めることが多いのですが、夫が辞める選択をするご家庭もあるということです。
理由③夫が働けない状態になっている
最後は夫が働けない状態になっているからです。事故やケガで仕事ができなくなってしまったり、病気でも働くことができなくなる方もおられます。
夫の勤務先がブラック企業であったり、パワハラなどを受けて精神的に病んでしまい、離職して専業主夫になるパターンもあるので、今の世の中ではどのご夫婦にも起こりうる可能性ではないでしょうか。
夫に専業主夫になってもらうメリット
ここからは夫に専業主婦になってもらうメリットをご紹介していきます。フルタイムで共働きの妻が、仕事も家も手が回っていないと感じたり疲れたと感じた時に、「自分が仕事を辞めて専業主婦になりたい」と思うか「夫が仕事を辞めて専業主夫になって欲しい」と思うかは人それぞれです。
専業主夫になって欲しいという方は、家事や育児が得意ではなかったり、仕事が好きな方や仕事を辞めたくない方も多いので、メリットを存分に体感できるでしょう。専業主夫家庭のメリットを確認してみてください。
メリット①妻が存分に働ける
メリット1つ目は、妻が存分に働ける点です。共働きでも、家事や育児の負担が妻に偏っているご家庭も多く、子供の急なお迎えの要請などにも妻の方に先に連絡が来て対応することも少なくありません。子供が小さいうちは残業や出張なども断っていたり、キャリアアップの打診を断っている方もおられます。
しかし夫が専業主夫になって家のことや子供のことを主に行ってくれるとなれば、子供のお迎えの時間を心配したり、子供の体調不良で急に休まなければならないという心配もしなくて済み、仕事にしっかり向き合うことができます。
責任のある仕事やキャリアアップもしやすくなり、仕事が好きな方や仕事を続けたい方には大きなメリットとなるでしょう。
メリット②お互いに感謝の気持ちを持つことができる
続いては、お互いに感謝の気持ちを持つことができる点です。仕事が好きで続けたいという方でも、夫が専業主婦になったことで自分が大黒柱となり、収入を得て家族を支えていかなければならないというプレッシャーや責任感を感じることもあるでしょう。
専業主夫になった方で、これまで家事や育児を妻に任せきりだったという方は特に、毎日食事の支度や子供の世話に追われ、家事や子育ての大変さを身にしみて感じる方も多いはずです。立場が変わったことで、相手のそれまでの大変さを実感するため、その分お互いに感謝の気持ちが自然と出てくるのです。
遅くまで仕事をして帰ってきた妻に「お疲れ様」、帰ったらすぐに温かい食事を出してくれる夫に「ありがとう」と、感謝できるでしょう。
メリット③心に余裕ができる
最後は心に余裕ができる点です。共働き世帯では家事の分担はされていることも多いでしょうが、妻の方が負担が大きかったり、子供関係は妻に偏っていたりすると、余裕がない方もおられます。自分の時間もなく、子供関係はイレギュラーなことがしょっちゅう起きるので、余裕のなさからイライラしたり夫と喧嘩してしまうこともあるでしょう。
夫が専業主夫になることで、子供のイレギュラーな事態は対応してもらえたり家事をお願いできたりすることで、時間の余裕ができて心にも余裕が出やすくなります。余裕ができると子供や夫にも優しく接することもできるので、妻の精神衛生上からも専業主夫になることはプラスになるでしょう。
夫に専業主夫になってもらうデメリット
夫に専業主夫になってもらうことにはデメリットも存在します。もちろん、夫婦で納得して決めたことであっても、周りの反応や実際に専業主夫世帯になってからの実感は、思っていたものと違うことが多いようです。デメリットも確認した上で、専業主夫世帯になるかどうかを話し合ってみてください。
デメリット①世間から理解を得られない場合が多い
デメリット1つ目は、世間から理解を得られない場合が多い点です。若い世代は夫が主夫と言う家庭があっても、そういう選択肢もあると肯定的な意見を持つ方も増えていますが、年齢が高くなるにつれてやはり夫は外で働くものと言う固定観念を持つ方が多く、理解が得られないことが多いでしょう。
他にも地方などは狭いコミュニティのため、夫が働いていないことに否定的だったり、噂をされたりすることもあるようで、理解が得られず人の目が気になってしまう方もおられます。
また専業主夫という家族の形態を勘違いし、夫がニートやヒモ、穀潰しだと捉えている方も少なくありません。そう言った方からの視線や言動で傷つく可能性もあります。
デメリット②共働きだった場合収入が減る
続いては、共働きだった場合は収入が減る点です。当然と言えば当然ですが、これまで2人の収入で生活していたのが妻の収入のみになるので、減ってしまいます。もちろん、夫が専業主夫になるタイミングでキャリアアップしたり、転職等で減った分をカバーできることもあるかもしれませんが、多くの方は世帯の収入が減るでしょう。
デメリット③夫が仕事をしないことに対する負い目を感じる
最後は夫が仕事をしないことに対する負い目を感じることです。専業主婦の方も感じる方が多いようですが、仕事をしていないことに罪悪感を感じたり、肩身が狭い気持ちになるなど負い目を感じてしまう方もおられます。
根本にあるのは人(妻)が稼いだお金で生活している、経済的に甘えた生活で楽をしているなどと考えていたり、人から言われてしまい自分を責めてしまっているためです。男性は外で働くという固定観念がまだまだありますが、お金を稼ぐのが全てではなく、家事や育児も家族の中でも社会の中でも大切な役割と自信を持つべきでしょう。
夫に専業主夫になってもらう場合の注意点
ここからは夫に専業主夫になってもらう場合の注意点をご紹介していきます。専業主夫世帯になるには、準備もせずに夫が仕事を辞めてしまうのは生活ができなくなる危険もあるので、必ず注意点を確認してやるべき準備をしてからにしましょう。
また、どの注意点に置いても夫婦でしっかり話し合い、決め事があれば共有しておくと後々揉めたりすることも減ります。こんなはずじゃなかったと思わなくて済むように、先にやるべき準備をしてください。
注意点①世帯年収を事前に確認しておく
注意点1つ目は、世帯年収を事前に確認しておくことです。妻の年収のみで生活が成り立ちそうか、今後の収入予測も踏まえて確認しておかないと、子供の教育費や家のローンを組んでいた場合など、不足する事態に陥りかねません。
これまで共働きであまり家計費を気にせずにいたご家庭でも、2人分から1人分の年収になるとどんぶり勘定という訳にもいかなくなります。計算上は世帯年収が減っても大丈夫だと思っても、生活水準をかなり下げて厳しくするといった、ストレスが溜まりそうだったりちょっと厳しいと感じる場合はもう一度よく話し合う方がいいでしょう。
一度正社員の仕事を辞めてしまうと、また同程度の年収・待遇の仕事には就きにくくなります。資格などがあればまた違いますが、辞めた後にやっぱり生活できないから働こうと思っても、以前より収入を得られなくなると覚悟をしておいた方がいいでしょう。
注意点②産休に入ったときの生活費を考えておく
続いては、産休に入ったときの生活費を考えておく点です。お子さんを希望されていたり、出産の予定がある場合、働き手の妻が出産の際に産前産後休暇や育児休暇を取ることになります。
その間、会社によって違いますが無給の所も多く、出産手当金という勤務先の健康保険から産休期間にもらえる給付金や雇用保険から育休中に支給される育児休業給付金を受ける形になります。しかし給付金は条件が揃っていなければ受給できなかったり、貰える金額も給与の全額ではありません。
また、妻が自営業の場合は加入の保険が国民健康保険であるため、受給対象外となってしまうため、産休中の生活費は確実に必要です。出産後早いうちに社会復帰する方でも、数ヶ月分の生活費は確保しておくと良いでしょう。
注意点③事前に両親に話をして理解してもらう
最後は事前に両親に話をして理解してもらうことです。夫婦が納得して専業主夫世帯を選択しようとしても、親は素直に受け入れられない場合も多いです。夫が外で働いて家族を養うのが当たり前、という時代の親世代からすると、息子が主夫になることに恥ずかしさや情けなさを感じる方もいます。
事後報告ではなく、専業主夫世帯になる前に双方の両親に話をしておくことが大切です。親に専業主夫世帯になることへの理解をしてもらっていれば、親戚が口を出してきたりなどトラブルがあっても心強いでしょう。
専業主夫は夫婦のかたちの一つ
専業主夫のメリット、デメリットなどをご紹介してまいりましたが、世間の専業主夫への風当たりや専業主夫家庭の少なさを目の当たりにして、少なからずショックを受けた方もおられるかもしれません。日本では、まだまだ男性が外で働き女性が家庭を守る、というのが夫婦のかたちだという考えが根強いのが現状です。
しかし女性の社会進出も進んできており、共働きのご家庭も増えるなど一昔前とは変わりつつあります。自分がしっかり働きたい女性にとっては、専業主夫になって欲しい方も多く、逆に専業主夫になりたい男性も一定数いるので、お互いに望んで役割分担できる可能性も十分あるでしょう。
専業主夫に対して否定的な意見を持つ方もおられますが、これからもっと様々な働き方ができるようになっていくと、専業主夫も1つの選択肢として認知されていくのではないでしょうか。専業主夫は夫婦のかたちの1つなので、自信を持って夫婦で協力していってください。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。