職人の働き方 ~スキルアップ(資格取得)~ 「ボイラー整備士」難易度や勉強方法など資格の取り方についてご紹介!
目次
ボイラー整備士とは
ボイラー整備士とはどのような資格なのでしょうか。詳しくご紹介していきましょう。
どんな資格なのか
ボイラーとは、石油やガスなどの燃料を燃焼させた熱により水の温度を上昇させ、温水や水蒸気に変換する機器のことで、多くのビルや工場などの大規模な施設に設置されています。ボイラー整備士は、ある一定の大きさを超えるボイラー又は、第1種圧力容器の整備や清浄作業を行う際に必要とされる国家資格です。全てのボイラーの運転を停止して作業を行うため、安全で確実な技術と迅速な作業が必要とされます。
ボイラー整備士になるとどんなことができるのか
ボイラー技士が点検により不備を発見した場合、ボイラー整備士の有資格者が整備作業を行います。ボイラー技士の資格だけを有していたとしても実際に整備作業を行うことはできず、ボイラー技士が安全に業務を遂行するためにも必要不可欠な資格と言えます。ボイラー整備士は、主にビルメンテナンスを行う会社などで、業務請負をしている工場やビル、施設や病院などに常駐して全てのボイラーの管理や整備、メンテナンスなどに携わります。市街地にかかわらず地方でも需要が多く、地域によらずニーズの高い資格です。また、他の職種に比べ年齢制限が緩やかなため、中高年から転職される方も多い職種と言えます。また最近ではビルやホテルなどで冷暖房の燃料にガスが使用されていることが多いため、ボイラー整備の有資格者のニーズが高まっています。
ボイラー整備士の平均年収は?
一般の大手民間企業に所属し資格を活かして働く場合や、管理やビルメンテナンスを主とする小規模な設備管理会社で働く場合もあり、所属している会社によってボイラー整備士の年収は様々であると言えます。ボイラー整備士という資格を有するプロとして働いた場合の年収であれば、一般的に月収約25万円~で、年収は約400万円前後です。
ボイラー整備士になるには
ボイラー整備士の資格試験の受験資格について
ボイラー整備士を受験する際に条件は特にありません。そのため、誰でも受験することが可能となっています。(但し、免許の交付日において18歳以上であること)また、合格後にボイラー整備士免許を取得するためには、一定の条件を満たす必要があります。試験に合格した上でボイラー、第一種圧力容器などの整備作業の補助業務に実務経験として6カ月以上携わった方など一定の条件を満たす場合のみ、「ボイラー整備士免許」を受け取ることができます。
受験資格を得るまでのルートは?
受験資格は必要ありません。免許の交付日が18歳に達する時であれば受験は可能です。
受験者数、合格者数、合格率や難易度について
(2014年度)
受験者数:4,143名
合格者数:2,664名
合格率:64.3%
(2015年度)
受験者数:3,782名
合格者数:2,525名
合格率:66.8%
難易度:比較的易しい
試験について
それでは、試験について具体的にご紹介します。
受験料について
免許試験手数料:6,800円
試験日程について(申し込みから合格発表まで)
試験実施:年3回(6月、10月、2月)
受験地:全国各地の安全衛生技術センター
(申し込みから合格発表までの流れ)
「受験申請書を用意」を用意する。
・各安全衛生技術センター又は郵送で請求。
↓
受験申請書類を作成する。
・試験手数料 ※受験票が発行された後は試験手数料の返還は不可なので注意。
・顔写真(30mm×24mm)
↓
受験申請書を提出する。
・提 出 先:各安全衛生技術センター
・提出方法及び受付期間は、郵便(簡易書留)の場合、受験希望日の2か月前から14日前までに郵送する。窓口へ持参する場合、受験希望日の2か月前からセンターの休業日を除く2日前までに持参する。
↓
受験票を受け取る
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試 験
↓
試験結果の通知については「免許試験結果通知」が郵送されます。また、各安全衛生技術センターの掲示板、及びHPに合格者の受験番号をが掲載されます。
↓
合 格
申し込み方法について
申込期間:受験日の2ヶ月~2週間前までに申請します。
申込方法:「受験申請書を用意」に必要事項を記入し、必要書類と一緒に郵送にて各安全衛生技術センター宛てに郵送又は窓口に提出します。
試験についてのお問い合わせ先
公益財団法人 安全衛生技術試験協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田3-8-13千代田ファーストビル東館9F
TEL:03-5275-1088
社団法人 日本ボイラ協会 技術普及部(技術)
〒105-0004
東京都港区新橋5-3-1
TEL:03-5473-4510
http://www.jbanet.or.jp/
受験申込についてのお問合せ先
各安全衛生技術センターの連絡先をご紹介します。
公益財団法人 安全衛生技術試験本部(03)-5275-1088
北海道安全衛生技術センター (0123)-34-1171
東北安全衛生技術センター (0223)-23-3181
関東安全衛生技術センター (0436)-75-1141
中部安全衛生技術センター (0562)-33-1161
近畿安全衛生技術センター (079)-438-8481
中国四国安全衛生技術センター(084)-954-4661
九州安全衛生技術センター(0942)-43-3381
試験内容について
ボイラー整備士の資格試験では、筆記試験のみで実技試験は行われません。筆記試験の内容及び、問題数をご紹介します。
【筆記試験の内容】
1.ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識(10問)
2.ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識(5問)
3.ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に使用する器材、薬品等に関する知識(10問)
4.関係法令(5問)
(※出題は30問で100点満点です)
【試験時間】
2時間30分
【合格基準】
1.総得点が、満点中60%以上の得点率の場合
2.各科目が、満点中40%以上の得点率の場合
資格取得のための勉強方法は?
ボイラー整備士の資格を取得するためにはどのような勉強方法があるのでしょうか?
専門学校に通う
専門学校に通って勉強する場合、実技講習の履修内容によっては、実務経験が免除になる場合があります。メリットとしては、ボイラー整備士だけでなく、ボイラー技士をはじめ、ボイラー取扱者やボイラー取扱作業主任者、ボイラー溶接士など様々なボイラー関連の資格の取得を一気に目指すことができます。デメリットは、学費が高額であることと、通学中は時間が制約されることが挙げられます。
費用は?
専門学校で2年制に通う場合の費用は約240万円ほどです。
ボイラー整備士の資格取得を目指せる専門学校
ボイラー整備士の資格取得について学べる専門学校をご紹介します。
《中央工学校》
中央工学校は、設立100年以上の実績と伝統ある専門学校です。建築をはじめ、設備やインテリア、土木や測量、造園、機械、CAD分野など多くの学科で学ぶことができます。実務教育が徹底されており、実技を通して最新技術を学ぶことができます。
http://www.chuoko.ac.jp/
独学で勉強する
ボイラー整備士の試験は、過去問題が出題される場合が多く、半年に1度ホームページで公開されている過去問題を繰り返し解くことが独学で勉強する場合の合格への近道と言えます。過去問10回分であれば5回くらい繰り返し解いてみましょう。そこで、過去問をより多く解くことができる問題集や回答集などがおすすめです。独学のメリットは、費用が少額であること、デメリットは勉強時間の確保が自己管理になることが挙げられます。
それでは、おすすめの問題集をご紹介していきましょう。
ボイラー整備士 過去問題・解答解説集 2017年10月版
単行本(ソフトカバー): 176ページ
出版社: TAKARA license (2017/10/6)
言語: 日本語
ISBN-10: 490836771X
ISBN-13: 978-4908367717
発売日: 2017/10/6
梱包サイズ: 20.8 x 14.6 x 0.8 cm
シンプルな作りのタカラライセンス出版の問題集です。半年おきに安全衛生技術試験協会が公開している過去問題を5年間分収録されています。1回の試験で30問ありますので5年分の全10回の試験問題となっており、問題総数300問が掲載されています。合格するために問題数をこなすという場合におすすめです。
ボイラー整備士試験 精選問題集
単行本: 198ページ
出版社: オーム社 (2016/9/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4274219410
ISBN-13: 978-4274219412
発売日: 2016/9/17
梱包サイズ: 21.2 x 15 x 1.5 cm
オーム社から出版されている問題集です。先に紹介しましたタカラライセンスの問題集に比べ、図が多く使われており、解説もあります。各問題に「得点力UPポイント」という要点が掲載されています。問題数の量では劣りますが、解説がある分、参考書的な役割もあるのでおすすめです。
ボイラ整備士試験問題解答集
単行本: 457ページ
出版社: 燃焼社 (2011/5/1)
ISBN-10: 488978098X
ISBN-13: 978-4889780987
発売日: 2011/5/1
梱包サイズ: 18.4 x 13.2 x 2.8 cm
安全衛生技術試験協会が公開している過去問題以外の問題が掲載されている問題集です。出題傾向からは少し外れますが、ボイラーに関する様々な情報が掲載されています。ボイラーについてより深く勉強したいという方にはおすすめの問題集です。
資格を取得してボイラーのプロを目指そう!
いかがでしたでしょうか?今回は、ボイラー整備士の資格について詳しくご紹介をしてきました。ボイラーは、私達の日々の生活には欠かせない大切なものですが、一つ取り扱いを誤れば大事故にも繋がりかねません。ボイラーを取り扱うには専門的な知識と技術が必要です。ボイラー整備士の資格を取得し、ボイラーのスペシャリストとして快適で安全な作業を行いましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。