即日可能『融資&資金調達』の全てがわかる【調達方法Ⅰ】Part 2/4
前回の「即日可能『融資&資金調達』の全てがわかる【総括編】」に続き、本編からは3回に分けて、個別に即日調達できる具体的な資金確保方法について詳しく解説します。
資金調達には大きく分けて会社または個人で独自に調達する方法と外部に依頼して調達する方法があります。また資金調達のタイミングや使う方法によってもメリット、デメリットが出てきます。それだけに個々の方法をよく知って、また利用上の長短所も分かった上でうまく使い分けることが大切です。
この記事ではまず、会社または個人で独自に即日調達可能な具体的方法と各方法のメリットやデメリット、利用上の注意点など、詳しく解説します。
目次
即日可能な資金調達方法:自己資金
即日可能な資金調達方法で最も簡単な方法は、自社あるいは経営者が貯めている自己資金を使う方法です。これだと誰に頼まなくても自分の判断だけで事業資金に使えます。
ただし小規模事業者だと自己資金もあまり余裕がない可能性が高いし、何より個人だと毎日の生活資金も必要ですから、自己資金を事業資金に充てるにも限界があることでしょう。
できることならまず資金調達は他の方法を検討し、自己資金は他の調達がどうしても難しい場合、最後の砦(とりで)として残しておくことが望ましいです。
即日可能な資金調達方法:個人からの借金(会社役員、家族・親戚や友人)
即日可能な資金調達方法として親しい個人からの借入れがあります。親しい個人とは、自社の会社役員、あるいは経営者の家族・親戚や友人のことです。
この調達方法のメリットは外部機関に比べて借金を頼みやすいこと。また親しいゆえにわざわざ借用書を書いたり、利息を払ったりすることもまずありません。相手によったら長期間借りっぱなしにしても督促もしてこないでしょう。そういう意味では安心して利用できる方法のひとつです。
ただしその親しさ、借りやすさが逆にデメリットにもなります。借金の取扱いをめぐって、借り手貸し手の間で感情的なトラブルに発展したら、話が余計にややこしくなってきます。
ときには返済をめぐって訴訟まで発展するのが、この家族間、友人間のお金の貸し借りです。話がもつれればもつれるほどお互いが憎しみ合うようになり信頼関係が一挙に崩れてしまいます。
それだけにいくら親しいといえど、借金するならちゃんと借用書も交わして一定の金利も払い、期日を守ってきちんと返済するのが、トラブルにならないため、信頼関係を維持するための知恵です。
即日可能な資金調達方法:親交のある取引先から前借り
即日可能な資金調達方法として、親交のある取引先から前借りするという方法もあります。
たとえば商品の供給、サービスの提供がすでに完了済みで後は2ヶ月先に支払いを待つだけという取引先があるとします。その取引先に「すみませんが支払いを一部、先に払って頂けませんか」とお願いするのが前借りという行為です。
すでに商品の納入は終わっているので、親交のある取引先なら「一部ならいいか」と前借りに応じてくれることもあるでしょう。それを自社の緊急支払いに利用すればいいのです。
ただし問題もあり、それは同じ方法を何度も使えないことです。同じ先に前借りを何度も繰り返して依頼していくと相手も不信感を持つようになり、取引額の削減やいきなり取引停止を持ち出してくるかも知れません。そういうリスクだけは避けたいですよね。
同じようなやり方として、親しい取引先に支払いを通常より延期してもらうという方法もあります。これも浮いたその支払い資金を別の緊急度の高い支払い目的に回せるという意味では即日可能な調達方法です。
ただしこれも同様の依頼を繰り返していると、仕入れ先から不信を買って商品が仕入れできなくなったり、取引量を減らされたりするリスクがあります。
どちらも即日可能な資金調達として効果的な方法ですが、活用もほどほどにしておきましょう。
即日可能な資金調達方法:即日に換金可能な資産の売却
即日可能な資金調達方法のひとつとして、自社及び経営者名義の換金可能な資金を売却するという方法も考えられます。
この方法の良さは、外部機関の審査などの動きに影響されず、即日で資金が手にできる簡便さです。自社及び個人に換金性の高い資産さえあれば、すぐに売却代金を事業資金に充てられます。
問題はその換金性の高い資産が自社および経営者にどれくらいあるかです。代表的な資産としては、土地建物等の不動産、営業用または自家用自動車、株式、公社債等の債券、商品在庫などがありますが、この中で最も換金性の高いものとしては株式や債券などが上げられるでしょう。
他の資産に関しては、不動産などはそもそも買い手を見つけるのが簡単でないし、その他資産も売り急ぐと相手に足下を見られて相場の半値以下で買い叩かれ必要な資金を確保できないリスクがあります。在庫などは、売ってしまうとそもそも商売が続けられない可能性も高くこれも現実的ではありません。
そういう意味では、その日のうちに換金できる資産をどれだけ持っているかで緊急度の高い資金を確保できる程度が相当変化します。
即日可能な資金調達方法:個人向けカードローンから借りる
即日可能な資金調達方法として個人向けカードローンから借りるという方法があります。
個人向けカードローンは無担保無保証扱いの金融商品で主に銀行や消費者金融が発行しています。法人・個人事業主向けのカードローンと比べて個人向けカードローンは審査書類も少なく、最短なら30分で審査が終了、申込みから1時間程度で借入れできるほどの利便性の高いローンです。
しかし個人向けカードローンの借入金をそのまま緊急度の高い事業資金に充てられるかというとものごとはそう簡単ではありません。なぜなら個人向けカードローンは個人利用に関してなら資金は何にでも使えますが、唯一事業資金に使うことを禁じられているからです。
したがって個人向けカードローンを直接、事業資金に使うことはするべきではありません。カードローンを発行した貸金業者にルール外の利用がばれると最悪、全額返金を求められてしまいます。そこで少し工夫が必要です。
まず経営者個人が生活のための自己資金を持っているなら、それを緊急度の高い事業資金に貸付けします。続けて、貸付けにより不足した生活資金を個人向けカードローンから借りて補充したらいいのです。
そうすればカードローンの資金目的は生活資金の補填となっているため、ルール違反をしたことになりません。ただしできればカードローン会社からチェックを受けたときの説明のために、それぞれの目的に利用した形跡を通帳か利用明細に残しておくのも必要かと思います。
即日可能な資金調達方法:クレジットカードのキャッシング利用
個人向けカードローンと同様、即日可能な資金調達方法のひとつにクレジットカードのキャッシング枠を利用するという方法があります。
クレジットカードのキャッシング枠というのは、クレジットカードの本来機能であるショッピングの枠についている借入れ機能でいわばおまけの付帯サービスです。
たとえばクレジットカードのショッピング枠が100万円あるとすると、そのうち30万円程度がキャッシングに使えるという感じです。ただしショッピング枠を100万円使い切っていて決済がまだ終わっていない状態だとキャッシングは1円も使うことができません。
キャッシングは、あくまで与えられたキャッシング限度額とショッピング枠の利用状況に借入額が左右されるという制約があります。しかしカードローンの審査に比べてクレジットカードの審査は緩やかで、その結果キャッシングも利用しやすいので、緊急時の資金確保には適しています。
ただし問題は、個人向けカードローン同様、クレジットカードのキャッシング枠も直接事業資金に使えないことです。これもまたカードローンで解説したやり方と同じようにキャッシングを行い、ルール違反をしないよう注意深く資金利用を図らねばなりません。
またキャッシングを利用する上でもうひとつ注意しなければならない点は、キャッシングの借入金利がかなり高めである点です。クレジットカードのキャッシングの平均借入金利は年18.0%あります。そのため長期借入れには向いていないので、キャッシング枠の利用はあくまで短期利用に留めることを忘れてはなりません。
まとめ
即日可能『融資&資金調達』の全てがわかる【調達方法Ⅰ】として、主に会社内で経営者の自己判断で行える即日可能な具体的調達方法の説明とそのメリット・デメリット、利用上の注意点など、詳しく解説してきました。
外部機関に頼らず資金調達できる方法群なのでその利便性は高いと思います。もしこの範囲で資金調達ができるなら、事業者はぜひ選択肢のひとつに入れておいて下さい。
次回の【調達方法Ⅱ】では、外部から資金調達する方法のうち、主に取引金融機関に注目し、銀行や信用金庫、信用組合等から即時調達する方法をそのメリット・デメリットも含めて詳しく解説します。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。